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#08

夫婦で育む安心・安全の農産物、有機農業に情熱を込めて。

下野 洸貴さん・実紗妃さんの画像

profile

下野 洸貴さん
(東京都 → 群馬県高崎市)

下野 実紗妃さん
(埼玉県 → 群馬県高崎市)

洸貴さんは学生時代から農業に関心を持ち、農業高校卒業後に造園を学ぶ。就農イベントで「くらぶち草の会」と出会い、2年間の研修を経て2018年に独立。
実紗妃さんは子どもの頃の自然体験をきっかけに農業に親しみ、大学で農業と国際交流を専攻。青年海外協力隊として海外で農業に携わり、帰国後に研修先で洸貴さんと出会い結婚。
現在は夫婦で高崎市倉渕町を拠点に、化学農薬、化学肥料に頼らない有機農業を実践している。

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interview

農家になろうと思った理由は?

洸貴さん

農業を始めようと思ったきっかけは、中学生のときに何気なく花の種を土に蒔いたことでした。小さな種からきちんと花が咲いたのを見て感動し、それ以来、植物を育てることが好きになりました。やがて農業という職業に興味を持つようになり、家の近くに農業高校があったこともあって、農業の道に進もうと考えるようになったのが始まりです。

実紗妃さん

幼い頃、キャンプや習い事を通じて自然に触れる機会があり、それがきっかけで自然に興味を持つようになりました。また、国際交流にも関心があったため、自然と国際交流の両方に関わることができる大学で農業を学びました。大学での学びを通して農業への理解を深め、将来的には農業に関わる仕事をしたいと考えるようになったのがきっかけです。

就農までの流れは?

洸貴さん

友人に紹介されて、東京国際フォーラムで開催されていた「新・農業人フェア」に参加しました。非農家出身で農業未経験の私でも始められる支援が紹介されており、全国の学校や農業法人、一般農家の団体、県の職員の方々など、多くの関係者から様々なお話を聞くことができました。その中でも、群馬県の「くらぶち草の会」に魅力を感じ、体験させていただいた結果、ここで農業を始めようと決めました。研修は「くらぶち草の会」の会長である和田さんのもとで受け入れていただき、2年間、農業研修を行いました。

※「新・農業人フェア」は毎年度、開催場所が変わります。

実紗妃さん

ここに来る前はJICAの海外協力隊に参加しており、その研修でお世話になったのが甘楽町の自然塾寺子屋という場所でした。そこで「くらぶち草の会」を紹介していただき、研修制度が整っていることや、就農後も安定して農業に取り組めることを伺い、こちらでの研修を決めました。くらぶち草の会の創設者である佐藤茂さんのもとで、大型野菜を中心に多品目の野菜栽培の研修をさせていただきました。

支援制度は利用した?

洸貴さん

「新・農業人フェア」でお話を伺った際に、生活費として「これくらいは必要になるだろう」と教えていただきました。やはり農業は初期投資が大きいため、資金は多ければ多いほど良いとも言われました。
こちらに来た当時は、準備型(現在の就農準備資金)という支援制度を2年間利用させていただきました。その後、経営開始型(現在の経営開始資金:※現在は最長3年間の支援(令和8年度時点))という支援を5年間受け、途中で結婚したこともあり、そこから夫婦型に切り替えて利用しました。
この支援のおかげで、農業を始める際に必要な資材の購入など、多くの費用を賄うことができ、とても助かりました。

※支援制度の内容や要件は毎年度変更される場合があります。
 最新の情報は農林水産省ホームページをご確認ください。

農地や住居の確保は?

洸貴さん

研修中は、倉渕町にある高崎市の市営研修棟を利用しました。研修期間中に受け入れ先の方や地元の農家の皆さんに協力していただき、倉渕町内の空き家を探してもらい.、研修終了時にその空き家へ引っ越し、独立と同時に住み始めました。農地や作業場についても、くらぶち草の会の方々に手助けいただき、無事に確保することができました。

初期投資を抑える工夫は?

洸貴さん

トラクターや管理機などの機械類は、研修中にご縁があった農家の方からお借りすることができました。そのおかげで、資金面で大変助かりました。
それ以外に必要となるハウスなどの施設や農具については、補助金や農協のローンを活用しながら揃えていきました。

農家の難しさは?

実紗妃さん

農業に憧れを持ってここに来ましたが、憧れだけではどうにもならない世界だと実感しています。計画を立て、資材を揃え、全て自分たちで決めて進めなければなりません。趣味の延長ではなく、仕事として生活がかかっているので、きちんと収入を得ていくための厳しさがあります。
二人でやっていた頃は、作業量に応じて朝早くから夜遅くまで頑張ればよかったのですが、子どもができてからは、子どもを保育園に預けている時間内で効率的に進める必要があり、時間制限の中での厳しさも感じています。

農業の魅力は?

洸貴さん

種を蒔いたり植え付けをしたりと準備を進めている間は、「うまくいくだろうか」と不安になることもあります。無事に収穫できたときには、「やってよかった」と実感します。有機農業を実践しているため、慣行栽培よりも難しい点が多いですが、虫が少なくきれいに収穫できると、農業の楽しさを感じます。

実紗妃さん

心が洗われるというか、自然の中で鳥のさえずりや虫の声を聞きながら、どこを見ても緑に囲まれて心穏やかに過ごせることが、素敵な日常だと感じます。

経営におけるポイントは?

実紗妃さん

くらぶち草の会に所属しているため、販路はしっかり確保されています。販路の開拓にかかる労力はなく、その分、栽培に専念できています。ただし、どうしても規格外品も出てしまうため、そういったものは地域の直売所や道の駅に出荷しています。
収支管理については、生活費や将来の人生設計を考え、年間でどのくらい稼ぐ必要があるのかを夫婦で話し合い計画を立てました。子どもを保育園に預けている間に効率よく仕事を進めるため、栽培品目を見直すなど、毎年試行錯誤を繰り返しながら頑張っています。

今後の目標は?

洸貴さん

これから若い世代の農家がどんどん増え、地域が活性化していくことを願っています。そのためにも、「農業をやってみたい」と思ってもらえるような農家であり続けたいです。

これから農業を目指す方へメッセージ

洸貴さん

これから農業を始めてみたい、あるいは農業に興味があるという気持ちがあれば、まずは実際に現地を訪れてみることが一番だと思います。
「やってみたいな」というぼんやりとした気持ちが最初のきっかけでも構いませんが、最終的には「ここでやるんだ」という強い覚悟が必要です。
ですので、一度ぜひ現地に来て、くらぶち草の会の会員や地域の方々と交流してみてください。そのうえで「ここで農業をやってみたい」と感じられれば、それが農業を始める良いきっかけになると思います。

実紗妃さん

まず農業に興味がある、話を聞いてみたいという方は、ぜひくらぶち草の会に来ていただきたいですし、私たちのところにも話を聞きに来ていただけると嬉しいです。
農業は好きでなければ何年も続けられない仕事だと思いますので、まずは農業を好きでいてほしいということと、実際にやってみてほしいと思います。農業体験ももちろん良いですし、ここで就農することを決めて来ていただくのも構いません。他の地域で経験を積むのもいいですし、自分に合った農業スタイルを見つけるために、いろいろ体験してみることをおすすめします。